当社の製品はオーダーメイドの「専用機」です。多目的に使える汎用機に対して、専用機とは「この車種の、この部品をつくる設備」というように、特定の製品づくりに使用されるもの。たとえば溶接設備なら、汎用の溶接ロボットに独自の治具や搬送装置などを組み合わせ、作業者が部材を置くだけで、短時間で正確に溶接できるよう考えて形にします。それもお客様の要望にただ従うのではなく、コスト面でも性能面でも本当に効果が出る方法をとことん考え提案するのが、私たちのやり方です。

事業に関しては、やみくもな新技術開発や規模の拡大を狙うのではなく、時代の流れに対応しながら現在の事業を堅実に続けていく考えです。その理由は、「事業は永続させねばならない」と考えているから。さらにその根底には、会社の事業や仕事がお客様のためであると同時に、社員の生活のためのものという考えがあります。

仕事はお客様のためとか自己実現のためなどとよく言われますが、その前に誰もが食べていくため働かなければなりません。ならばイヤイヤやるより、人生の何割かにのぼる長い時間を過ごす会社を、楽しく過ごせる場所にすることで、お客様や自分の向上のため頑張ろうと思えるようにしたい。オフィスや食堂の居心地をよくしたり、より効率よく仕事をする方法を全員で考える風土をつくっているのは、そのためです。理想は、1年の半分働けば、高い年収を得られる会社です。

社員全員で30名の当社は、全員の名前と顔を覚え、職種を超えてコミュニケーションを取りながら仕事ができる規模。オフィスと工場を行き来し、お互い気軽に相談をしながら製品づくりをしています。それと同時にこの規模は、一人ひとりが大きな戦力として期待される「少数精鋭」の企業でもあります。特に技術営業部門と設計部門では、2006年に入社した新卒1期生以下、若手が早くから中核として活躍中。自主的に技術講座を開催するなど、学ぶ努力も欠かしません。

「同じ生産ラインを流れる3車種分の異なる形状の製品の、どれにでも簡単に対応できる溶接設備」というように、同業他社にもここまでやるのかと驚かれる設備が当社製品の特長です。お客様の期待を超えようとするこうした姿勢と確かな品質が評価され、一時期は中国メーカーが優勢だった海外向けの受注が、また増えています。故障による停止が許されないにもかかわらず、はるか海を越えた場所で使われる生産設備を当社に発注いただけることが、大きな信頼の証です。